MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ 〈日高 洋祐等著〉

評価

★★☆☆☆

感想

MaaSとは、「マイカーと同等以上の快適な移動サービスを提供する概念」のことで、マイカーと公共交通機関を組み合わせ、経路検索や決済の簡素化だけでなく、また、交通渋滞の解消や過疎化・高齢化の足確保など、社会構造の変化自体がMaaSの本質である。簡単に言えば、MaaSとはマイカーがなくても好きな時に行きたい場所に行くためのサービス群で、スマートフォンや自動運転技術の活用により社会構造そのものも変化していくためそういう世の中に各企業柔軟に対応していく必要があるよ、と解釈する。

 そもそもこの本を読んでみたいと思ったきっかけは、私自身が鉄道に関する情報システムに携わる身として、鉄道がMaaSに関与する割合が非常に大きいからである。

 日本のような自動車大国において、MaaS先進国であるフィンランドのような交通機関の定額制や、ドイツのダイムラー社のような乗合サービスへと発展していくのは、私だけではなく社内でもやはり懐疑的である。具体的には、MaaS=アプリ開発というゴールのイメージであり、日本のように各交通機関の情報提供などのサービスを統合していく程度で終わるのでは、と感じてしまう。そして決済までを一括で購入できるのかもしれないが、それがそこまで凄いことだとは思えない。それほどに交通機関の各社の壁やマイカーからの脱却は厳しいと考えるからである。

 そのため現在においては、アプリの開発程度にとどまると考えるが、ただ車の自動運転が現実化すればその考え方は覆るかもしれない。運転ドライバーが不要になることで、過疎地に住む方、高齢者や障害者が車による移動が必要なときに車を使える。つまり車を所有しなくてもよい社会(免許が要らない車を利用する社会)が生まれるからである。それがそう遠くない未来にくることを考えるため、MaaSの本質に沿った社会構造の変革に備えて考えていかなければならない。

 最後に、話はそれるがこれからの社会は訪日外国人が劇的に増加していく社会となる。彼ら向けのサービスをいかに充実していくかが重要となるが、鉄道では「特急」の定義がJRと民鉄で異なっていたり、都会ではどの交通機関が一番楽に行けるのかが非常に分かりにくかったりする。まずは、MaaSで何かを生み出すより前に現在のサービスを外国人にもわかりやすい案内標識、迷わない交通機関の利用とその仕組みを整理することからなのでは、と思った。

投稿者: emitohappy

はじめまして。wordpress超初心者です。 アウトプットすることの重要性を認識し、日常の記録と、慣れてくればいろんな情報を発信していきたいです。まずは読書感想文を中心に発信していきたいです

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