異形の将軍<津本 陽著>

評価

★★★☆☆

感想>

田中角栄は貧しい農家の出から建築士・実業家を経て国会議員となった。これまでのボンボン議員や世襲議員と異なり、たたき上げで鍛えたビジネス経験と、野心、狡猾さで総理大臣まで上り詰めた。その過程では多少不正なお金を使って選挙の組織票を集めるなどの実力行使に出て自身の影響力を増していった。

この本の中で好きなエピソードは、大蔵大臣時代に当時の大蔵省の官僚から真っ向から立ち向かい、反対を押し切って公共事業投資などを認めるように進めた点である。これまでの通例では2名の部長の派閥に進めば出世できていたが、その部長を容赦なく人事異動で飛ばし改革のやる気がある者を取り入れた。今の政治家も財務省の官僚にハイハイ聞かずに自分の意思を断行してほしいと思った。

しかし、攻めの過程は目を見張るものではあるが、実際に総理大臣に上り詰め石油ショックやロッキード事件に対峙するときは非常にもろく呆気ない裏切りにあった。人生終盤は酒におぼれ体調も崩し人生のはかなさを感じた。田中角栄のように人生終盤に失速する姿は、もし自分自身がそうであると寂しい思いにもなる。

ちいさなことにイライラしなくなる本〈大嶋信頼著〉

評価〉

★☆☆☆☆

〈感想〉

阪神ファンである私は、阪神が負けると少しイライラしてしまう自分が嫌になることがあり、この本のタイトルを見て勝敗によって自分の時間や意識をコントロールされない方法を知りたかった。そのためにこの本を読んでみた

 結果的には、プロ野球の勝敗のような自分ではどうしようもないことに対するソリューションというよりは自分に降りかかる環境に対するソリューションを紹介する本であった。強靭なマインドをどうやったら身につけられるかというものではなかった。本で紹介される事例もあまりそんなことでは怒ったりしないと思うようなものが多かったので、個人的には共感することはあまりなかった。

ただし、睡眠をしっかりとる点、怒りの原因をちゃんと深堀していくという点はその通りであると思うし実践していきたい。

FACTを基に日本を正しく読み解く方法<高橋 洋一著>

<評価>

 ★☆☆☆☆

<感想>

 著者はテレビやYoutubeで背に腹着せぬ言いぶりで財務省を切り裂いているコメンテータである。数学者でもあることからデータから論破する姿はいつも見ていて気持ちいい。そんな著者が日本の現状の課題について彼なりのデータ分析により本質を述べている。

 テーマとしては、マスコミや財務省を中心に経済や社会問題を取り上げてニュースや新聞等で当たり前とされている論調を切り込んでいる。

 その中で彼が言いたいことは、データに基づいて物事の本質をしっかり理解することの重要性である。人の言ったことに振り回されるのではなく、客観的な事実としてデータを自分自身で読み解かなければ、本質的な理解はできないということである。

 ただ、テーマとして見下した感がある論調であり、なかなか読み進めていけなかった本で、読破するのに2か月以上も要してしまった。

これからの5Gビジネス<石川 温著>

<評価>

 ★★☆☆☆

<感想>

 これから始まる5Gの世界。その特長は、「高速大容量」「超低遅延」「多数接続端末」である。これらを生かして未来はどうなるかを解説した本である。

 まず注意したいのでは、すぐに5Gネットワークで通信できるのではなく、コアネットワークとなるのは2,3年かかるということである。5Gの周波数は飛びにくいため、今後も4Gの拡大というのはすたれずに残り、徐々に5G化になるということが注意である。

 その上で5Gが当たり前の世の中になった場合に印象的であるのは、遠隔サービスの充実である。医療の世界なら遠隔治療、介護の世界ならロボットによる遠隔介護、建設の世界なら重機の遠隔操作。これらは上記の3つの5Gの利点を生かすことで実現される。元々この本を読むきっかけは、現在の仕事で5Gを生かした教育システムをどのように実現するかを勉強するためにこの本を読んだが、教育の世界ではこれまでの集中型座学教育から、オンライン化による遠隔教育がテーマになる。

 これら5Gにより実現された社会においては、AIやIoTといったテクノロジーが益々必要とされていく世の中となるため、どのようにそれらテクノロジーを業務に生かすことができるかを勉強し、ユーザに提案できる状態に高めておく必要がある。

 

行動が早い人の仕事と生活の習慣〈野呂エイシロウ著〉

評価

 ★★★☆☆

感想

 一流のビジネスマン=行動が早い=スケジュールを逆算して考える=自分のやるべきことを整理できる=チャンスも多くめぐるなど、行動が早い人は好循環で仕事や生活を送れることを説いており、そのためのテクニックを紹介している。そして、難しい言葉を使用しておらず、まとめが多いので非常に読みやすい本である。

 この本で、特に共感したのは頭であれこれ考えるよりも行動したほうがうまく回るということである。プランニングに割くのは2~3割、そしたらすぐに行動して、間違っていたらすぐに修正する。それが重要である。だから、マルチタスクも受け入れ、とにかく量をこなすことが重要であると痛感した。

 特に印象に残ったことを、以下に記す

  • 行動が早い人は、存在感と勢いがある。
  • できる人は、「気遣い」を重視し、人をイライラさせない(ここは自分自身特に反省点)
  • スケジュールを作ることより、タスクを作ることを重視する
  • 価値のない飲み会には参加しない
  • 目標は最長で半年。できれば記録する
  • どんどん情報発信する。それがパイプ作りにつながる
  • できる人は、どこでも勉強する。移動時間を有効活用する

シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―〈世古 詞一著〉

評価

★☆☆☆☆

感想

1on1ミーティングを通じて、部下との相互理解、成長を促していくための目的やノウハウが記されている。

 この本で記載されていることは正直目新しいことはなかった。これまでのノウハウ本にも同じようにして書いていることばかりであるが、自分自身にとって結局それが消化されずアウトプットできていなかったことを気づきかされたかとがこの本を読んでいて1番感じたところ。例えば、自分から発信してばかりではなくまずは部下の話を傾聴すること、関心ごとを聞くということ(ただし、将来に関心がない子はまずは今を集中すればよいということをしっかり伝えてやる)、そしてそれらための有効な質問を考える必要があることなどである。

 人は一人ひとり違う。能力も人生観も興味も。そのため、面談においてはマネージャー側がしっかり準備して質問内容を整理して臨みたい、それは部下にもきっと伝わると信じて。

X-Tech2020〈アクセンチュア著〉


評価

★☆☆☆☆

感想

 21世紀になってスマホが発明され人々の暮らしを変えたように、この本では12のビジネス領域について、ITを活用したイノベーションの現状と将来についての要約している。

全体を通じて感じたのは、どの分野においても「AI」を用いたデータの利活用を積極的に行なっているということである。これまでのように顧客の行動分析や購買分析にとどまらず、評価や採用と言った人事面や、個別学習プランといった教育面においてでもである。さらに、農業、バイタルデータを用いたヘルス、ものづくりの設計までもが実用段階に入りそうである。その他、「IoT」や「5G」などのキーワードも多く見られたが、現時点では今までの私の知見から大きな驚きを覚えたのはあまり記載されていなかった。当然、AIだけを追求すればよいものではなく、IOTや5Gも相互に関係していくわけだが、このAIというテクノロジーをどう活用していくかを、世の中の動向も日頃から吸収することで活用、提案できるようになっていきたい。

 本自体の評価としては、ひとつひとつの事例があまり具体的ではなく、一般的な総評にとどまっていたため一つ星とした。

ノーサイド・ゲーム〈池井戸 潤著〉

評価

★★★★☆

感想

 昨年ドラマ化された池井戸潤の小説であり、ラグビーワールドカップの日本開催もあり大変人気となった。個人的には「半沢直樹」しかり、知的で筋の通った主人公が、その地位と権力を振りかざす上司をロジカルになぎ倒していくところが痛快である。

 この作品の感想としては、左遷された主人公の君嶋はその先での試練を受け入れ、仲間を作り、本社の役員と対峙していく。彼は、自分自身の出世や欲のために動くのではなく、常に仲間のために献身している点がすばらしい。そして、来年度廃部の危機にある苦しい場面も。仲間に対しても嘘偽ることなく本音で訴えたことにより信頼を勝ち取った。自分の業務においても自分自身のために動いてはだめだと思った。何かを成し遂げたければ、相手の立場になってこちらの意見が通るような信頼関係を構築する必要がある。自らが逃げたり自分の利益だけを考える者は、仲間は信頼してくれず、必ず勝者にはなれない。それを胸に受け止めて君嶋のようなサラリーマンを目指したい

神トーーク「伝え方しだい」で人生は思い通り〈星 渉著〉

評価

★☆☆☆☆

感想

この本は「人を動かす」ための具体的なハウツー本であり、トーク力という意味合いではない。トークというよりは、トークをする前提条件について述べられている。例えば、人を動かすためには日頃からこの人のためなら聞こうと思われなければ聞いてもらえない、などである。

私がこの本をとったのは、部下の人に当事者意識を身につけ高めることでいい人材を作るにはどうすればよいかを知りたかったからである。そのために必要なこととして自身が印象的に感じたところが、「絶対に否定しない、話を最後まで聞く」ことと、「まず相手を褒める」ということである。この2点を実践することで、まず相手の自己効力感を高めて存在価値を認め、また上長である私に話をすることに安心感も与えることができる。特に一つ目の最後まで話をきくことは、私自身が苦手なところである。重要性は理解していたが、なかなか効果でないという理由から、普段から無意識に自分の主張を押し付けてしまっている。改めて見直すべきと感じた。

ただ、やはり難しいのは、この本の書いていることすべてを実際に応用しにくいところもあるため、この2点に意識して今後も部下とコミュニケーションをとっていきたいと感じた。

最後に私自身の評価について述べると、非常に読みやすい本ではあったが、知識として新発見と感じる部分が少ないから低評価となってしまった。熟読して実践できれば、高い効果が得られるのは間違いない。

GAFA四騎士が創り変えた世界〈スコット・ギャロウェイ著〉

評価

★☆☆☆☆

感想

この本では、Amazon、Apple、Facebook、Googleの四騎士の強み、特徴、生い立ちを通して、我々のプライベートな領域を全て把握し支配していることに懸念を促している一方で、彼らのような一部の人間によって淘汰されうる時代への覚悟、心構えの重要性を説いている。

この四騎士の凄みは2つあると考える。一つ目は、「日常生活の面倒な手続きや時間のかかる作業を取り除いたこと」にある。例えば、Amazonは、小売業で誰も目のつけなかった、顧客に一番近いテクノロジーとは無縁の物流・配送に着目した。そしてAmazonプライムにより、実店舗に出向くより圧倒的に簡単に商品を入手することができた。そして、アレクサによる音声入力や無人レジなど、これからも既存の小売業では成せなかったことに挑戦している。

もう一つの凄みは、「プラットフォームを築き上げ、莫大な投資により発展させていること」である。Facebookは、アプリであるフェイスブックとインスタグラムが人類の1/4もの人が毎日50分も使用されており、そこからユーザの行動分析を把握して最大のモバイル広告を築きあげた。さらに、自らはプラットフォームを提供し、ニューヨークタイムズなどの記事を購読できるようにすることで、自社に都合のいい情報をコントロールできるようにもなる。我々はフェイスブックで無意識に便利に感じる一方で、我々のプライベートに無秩序に侵入しているのである。

 この2つの強みを四騎士は生かして現在の市場を席巻しているのである。そして自身の生きる強みを把握している。Amazonは小売の利便性の追求で、Appleは高級ブランド志向で、FacebookはSNSによる広告で、Googleはあらゆる情報の検索で。そして、これからの可能性に莫大に投資し、競合他社の寄せ付けをさせない。

ただ本当に大事なのは、四騎士の強みに危機感を覚えることではなく、あらゆる情報を把握されていると理解した上で彼らが提供するサービスをそれぞれがどう駆使して使いこなしていくかではないかと考える。個人レベルで危機感を背負っても仕方がないと考えるからである。

最後に、今回の著者は四騎士の後背に甘んじているからか、非常に感情的な表現で批判しており、アメリカ人に見られる比喩表現が分かりにくく、自分には素直に入ってこなかったため理解に苦しむ内容であった。そのため、評価は低いものとした。

 個人的には読書を長い間中断してしまったことが反省である。

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